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広島市青果食品商業協同組合 “組合員の付加価値向上を目指して” 

2017-03-17


“組合員の付加価値向上を目指して”
広島市青果食品商業協同組合
理事長 山口 利郎 氏(右)
副理事長 西岡 孝 氏(左)

組合について
組合の前身となる広島青果小売商中央会が1951年に設立され、翌年に広島青果食品商業協同組合として法人化後、1960年に「広島市青果食品商業協同組合」に改名、そして1981年に広島市中央卸売市場開場に伴い同市場内に移転しました。当組合の市場取引額は市場青果部全体の約4割を占めており、そのうち組合員が直接卸売業者から商品を買い取る「荷受」が7割、仲卸業者から買い取る「仲卸」が3割で構成されています。

組合の事業について
共同事業の柱は「組合代払保証制度」で、「荷受」と「仲卸」への代金支払を組合が一括して行います。具体的には組合員が3日毎にその間の市場取引に伴う仕入代金を組合の指定口座に入金し、7日毎に卸売・仲卸業者に支払います。当制度が維持されることで、組合員は組合の信用力を背景に安定的な仕入を行うことが可能となり、卸売・仲卸業者においては代金回収リスクがなく、個々の組合員から集金不要となるなど、双方に大きなメリットが生まれます。また、青果市場取引や事務処理は特殊な要素が多く、集計作業の負担が大きいため、組合員自らが荷受や仲卸の付替処理を窓口で入力し、荷受・仲卸業者からの請求処理を伝票と同時に徴求するなどの仕組みを取り入れ、手作業による誤読や入力ミス、入力時間の大幅な削減につながっています。今後は、事務作業の効率化や情報発信力の強化等に向け、さらに利便性を高めたシステムの構築も予定しています。

  

 またその他の事業では、JAへの視察研修を行い生産者と意見交換したり、東京の組合から講師を招いて「八百屋塾」を開催したり、食育を地域に広めるために「学校市場見学会」を開催するなど、精力的に事業を行っています。今後は、調理士を目指す学生や管理栄養士を対象に組合員が講演する機会も設けられればと考えています。
 

  

“運どん”と青年部活動について
全国青果商業協同組合連合会青年会で普及拡大を狙う「運どん」について、当組合の青年部は全国に先駆けて商品化を行いました。「運どん」は、冬至の日、受験シーズンに合わせて、“冬至七種”のかき揚げ天ぷらを加えたうどんで、組合員のオリジナル商品としての付加価値向上を期待しています。 また、昨年には、中国・四国地方一体の青年会を組織し、共同で産地視察を行うなど、青年部単独で活動する流れができました。当組合の青年部には、失敗を恐れず様々な事に挑戦してほしいと考えています。組合の若手にも、業界がじり貧なのではなく、私達自身が事を起こせば組合、業界は良くなっていくのだと、感じ取ってほしいと思っています。

市場の規制緩和について
昨年に政府が打ち出した農業競争力強化プログラムにより、卸売市場法の抜本的な見直しや規制緩和に向けた話し合いが行われています。農家から直接消費者へ届けられる産地直送などの新たな流通が台頭してきているのは事実で、物流効率化や生産者の顔が見えるなどのメリットもあると思います。しかし青果物においては、味、品質、鮮度、生産地域などが多種多様で、直接手にとって五感で感じるのと画面などを通じて見るのとでは大きく感覚が異なります。私達のエゴではなく、安全、安心な物流の先に消費者の皆様がいます。私達はこれからも農家や消費者に対して卸売市場の持つ機能や魅力を業界全体でPRし続けていくことが必要です。

組合の将来について
私達には衰退しつつある青果店の魅力を高め、活性化していくことが求められています。魅力のある青果店とは、お客様に食べ頃や旬、産地情報、今日のおすすめ料理などを伝えて、買い物の楽しさを感じてもらえることだと考えています。当組合では、有名ホテルのシェフを講師に招いて、青果店でのカット販売に活かせる「カットフルーツ講習会」を開催するなど、組合員の新たな魅力づくりに取り組んでいます。
これからは、市場を背負う荷受、仲卸、青果小売商の各業界がWin-Winの関係をいかに作り出し、協力体制を築けるかが鍵となります。また、魚、肉、野菜の生鮮3品が異業種交流し、新たな付加価値を創造していくことも必要だと考えています。


広島市青果食品商業協同組合
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