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広島県板金工業組合 “組合が担う、次世代への技能継承” 

2016-02-15


~組合が担う、次世代への技能継承~

広島県板金工業組合
理事長 有間 一宗 氏  事務局 塚本 美紀 氏

組合について教えてください
当組合は、昭和32年4月に任意団体である広島県板金組合として、組合員85名でスタートし、昭和43年1月に現在の広島県板金工業組合に改組しました。現在組合員は155名、そのうち約6割が個人事業主です。一人親方や親子で事業を営んでいる事業者も多く、地域工務店の下請を担っている方がほとんどです。
建築板金業は、建築産業の中でも専門工事業にあたり、住宅、工場、店舗、寺社仏閣、公共施設の屋根・外壁・雨樋等建物の外装工事を行うのが主な仕事です。お寺の屋根や銅板の樋などは手作りのものも多く、日々、職人技術の向上が求められています。近年は有名なリフォーム番組の影響もあって、新築工事の他にもリフォーム案件が増加しています。

組合の取り組みについて教えてください
当組合では組合員従業員の技能検定・各資格取得に力を入れており、検定受検者を対象とした技能講習会を毎年実施し、今年度は検定1級の合格率が7割を越え、組合の継続した取り組みが成果となり現れてきたと感じています。また、ひろしま技能フェア(ひろしまものづくりフェスタ)にも組合で出展しており、板金技術の発表や、建築板金業について子供達に広く知ってもらおうと、小学生から高校生を対象に、銅板・真鍮(しんちゅう)板のレリーフ打ち出し体験を行っています。その他には、厚生労働省中央技能振興センターに認定されたものづくりマイスターによる「ものづくり体験教室」を小学校で開き、小学生の子供達と教職員の方々を対象に銅板に絵柄の色づけをしたり、表面仕上げを行ったりと、板金業の伝承の技を次世代に伝える周知活動を行っています。昨年は、初めて建築板金職種の技能体験教室を開催したり、平成27年度若年技能者人材育成支援等事業を活用し、各講習会を開催したりと、組合活動でも若手技能者の育成に力を入れた取り組みを続けています。


 


「責任施工保証制度」について教えてください
業界の全国団体である、全日本板金工業組合連合会(以下、全板連)傘下の有資格者による施工と検査を行った証として、保証書を発行する制度です。住宅の品質がより厳しく問われるようになる中、全板連では、昭和59年に品質基準を策定しました。組合員の確かな技術により施工、検査を行ったという証明であり、組合員が顧客に安心を保証することができます。


組合の課題について教えてください
組合員の減少と、後継者育成が組合としての喫緊の課題です。最盛期には、200人近い組合員が加入していましたが、時代の流れとともに廃業する組合員が多くなり、ここ数年では組合員数が40人近く減少しました。現在は、組合として組合員の後継者確保と同時に、組合未加入者へのアプローチの方法を検討しています。全板連の責任施工保証制度やスケールメリットを活かした事業活動など、今後も加入メリットについて周知を進めていきます。
 板金業界はいわゆる「3K」も業務内容に含まれており、次世代の担い手を見つけていくことも課題の1つです。組合としては、技能検定の取得等により、次世代を担う若年労働者に確かな技術と自信を持たせることによって、後継者の確保につながっていくと考えております。
 
 
組合の今後について教えてください
組合では、福利厚生事業を充実させ、組合と組合員間及び組合員間の横連携を大切にしています。理事同士も組合事業について積極的に意見を出し合い、組合の今後の方向性について真剣に議論を重ねています。我々建築板金業界は、建築工事の中でも外装工事を一手に担う、必要不可欠な工事であると自負しています。近年では、構造にもデザイン性が求められるようになってきており、業界では、日々研鑽を積むことが求められています。今後も、様々な活動を通じ、業界の地位の向上や改善発達のため、力を尽くして参ります。
 

広島県板金工業組合
山県郡北広島町後有田1323-2
TEL:0826-72-0039
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